カリキュラム

2年次の科目の概要

基礎科目
  春学期 秋学期
数理システム基礎複素解析 フーリエ・ラプラス解析
ベクトル解析 微分方程式
  
  
  
基幹演習 コンピュータプログラミングⅠ
※必修科目
コンピュータプログラミングⅡ
※必修科目
数理システム演習Ⅲ
※必修科目
数理システム演習Ⅳ
※必修科目
専門科目
数理 代数学Ⅰ
-代数学に集合が出てくるまで-
代数学Ⅱ
-集合的な用語と代数的構造のイロハ-
幾何学Ⅰ 幾何学Ⅱ
数学演習Ⅲ数学演習Ⅳ
集合と位相  
情報統計 確率・統計Ⅰ
-確率論の基礎-
確率・統計Ⅱ
-数理統計学の基礎-
  
応用数理 離散数理 数理モデル
   
共通  
  

太字の科目(「コンピュータプログラミングⅠ,Ⅱ」、「数理システム演習Ⅲ,Ⅳ」)は必修科目。

フーリエ・ラプラス解析(2年次)

本講義では, まずフーリエ級数に関する基礎と応用を入門的に解説する。フーリエ級数の収束性のための十分条件を紹介し, 基本公式を解説する。次に線形代数および複素解析に関連する内容をふまえて, 偏微分方程式の解法への応用を述べる。また, フーリエ級数の極限としてフーリエ変換を導入し, その微分方程式への応用も述べる。最後に, ラプラス変換を紹介し, その基本公式について解説をして, 常微分方程式の初期値問題等への応用について述べる。

微分方程式(2年次)

基本的な常微分方程式の求積法(微分方程式の解を求めること)について講義する。まず, 1階の方程式として, 変数分離形, 同次形, 線形の方程式を取り上げ, その求積法について講義する。次に高階の定数係数の常微分方程式を取り上げ, 2階の場合を中心として, 解の構造の一般論や, 一般解の求め方を詳しく説明する。さらに, 線形代数の知識を仮定して, 定数係数の連立常微分方程式の解法や線形常微分方程式の級数解についても概説する。

複素解析(2年次)

まず, 複素平面を導入し, 複素平面の幾何学について簡単な解説を行う。引き続き, 複素変数の関数の微分可能性からコーシー・リーマンの関係式を導き, 複素関数の正則性の定義を行う。次に, 複素積分に進み, 複素解析で最も大切な定理である, コーシーの積分定理と積分表示式および, そこから導かれるいくつかの重要な結果を述べる。最後に, 有理型関数とローラン展開, および留数定理とその応用について述べる。複素解析の多くの結果は, 複素平面上に図示することで直観的な理解が進むので, グラフィックスを用いた講義内容とする。

ベクトル解析(2年次)

R^3のベクトル解析について解説する。R^3 の領域上の通常の関数が, 領域の各点でスカラー量が確定するのに対し, 領域上の各点でベクトルが確定するものがベクトル場であることを理解することから始める。まず, ベクトル場とスカラー場についての微分演算である, grad, div, rot の計算を身に付け, その具体的な意味も把握する。次に, 線積分, 面積分の概念と計算法に習熟し, それらを土台として, ストークスの定理とガウスの発散定理を解説する。R^2内のベクトル場についても触れる。

コンピュータ・プログラミングI(2年次)

数理科学の問題解決の道具として, コンピュータプログラミングは重要な役割を果たしている。本講義では最近最もよく使われているC言語の文法について講義をするとともに, 実際にコンピュータを用いて演習を行うことにより, C言語によるプログラミングの基礎的能力を養う。入出力と演算子, 分岐構造と反復構造による処理の流れ, 配列と関数が主な内容となる。コンピュータ・プログラミングの導入科目であるので, できるだけ丁寧に講義し, 演習で理解を深めるように進める。

コンピュータ・プログラミングII(2年次)

数理科学の問題解決の道具として, コンピュータプログラミングは重要な役割を果たしている。本講義ではコンピュータ・プログラミングIに引き続きC言語の文法について講義をするとともに, 実際にコンピュータを用いて演習を行いC言語を理解してから, 数理科学におけるさまざまな問題をプログラムを用いて実際に解き, コンピュータ・プログラミングの有効性を理解することを目的とする。再帰処理, ポインタ, 構造体とファイル操作が主な内容となる。いずれも学生が苦手とする事が多いので, できるだけ丁寧に講義し, 演習で理解を深めるように進める。後半はJavaを学び,オブジェクト指向のプログラムについて演習を通じて理解し,最後に数値シミュレーションのプログラムを作成する。

数理システム演習III(2年次)

この講義の目標は数式処理の高度な扱いや, 現在企業でよく使われている大容量のデータが扱える統計ソフトSASの扱いについて理解する事である。講義を受けたあと, 与えられた課題を各自が情報処理教室でコンピュータを用いて解くようにする。統計処理言語による演習を通して,それら言語の使用方法を学習するとともに, データ分析能力を身に付けることを目的とするとともに, 数式処理システムのより高度な使い方を学ぶ。講義および演習を通じてコンピューターを用いる知識技術を習得させるとともに, 数理科学に関する知識を深めることにする。

数理システム演習IV(2年次)

これまで学んた基礎的な数学を題材として, パワーポイントやTeXを用いて資料を作成し, その資料を用いてプレゼンテーションを行う能力を涵養することを目的とする。形式としては講義と実習を交互に行い, パワーポイントの使い方や TeX の使い方を講義するとともに, グループごとに適当なテーマを選択し,TeX を用いた資料の作成方法を学ぶとともに, パワーポイントを用いて発表を行う。ソフトウェアの使い方に関する理解度を調べるため期末試験も実施する。

代数学I(2年次) -代数学に集合が出てくるまで-

ギリシャの3大問題や正多角形の作図問題等の不可能問題を紹介し, 現代的な代数への関心を喚起する。具体的には, 3次方程式や4次方程式の代数的な解法や三角関数による解法を解説し, その中で根の置換の役割を明らかにする。2元2次方程式の解法も解説する。また, 部分群の不変量の考え方により正5角形や正17角形の作図法を導く。また, 剰余の定理と関連づけて代数方程式の整数解, 合同式, 有限体を紹介し, 拡大体まで進む。以上により, 一般の代数的構造へのモチベーションを養うことができる。

代数学II(2年次) -集合的な用語と代数的構造のイロハ-

群, 環, 体など代数構造の準同型や同型, 構成法, 部分群, 正規部分群, イデアル, 固定群, 固定元等の基本概念を解説し, 合同変換群の様な身近な群や位数の 小さな群, 多項式環, 行列の環, 3次方程式の解法に出てくる低い次数の体などの具体例で一般論を補う。低い次数の体でガロア理論の基本的なアイディアを解説する。多項式環による体の構成に加えて行列による構成も扱う。行列によりハミルトンの4元数体を構成し, 形式不易の法則を反証する。

幾何学I(2年次)

ユークリッド空間内の曲線と曲面の局所理論を講義する。微分可能多様体やリーマン幾何学への導入になる様にする。ユークリッド空間上に正定値2次形式が定める距離から始めて, 可微分曲線の接ベクトル, 可微分曲面の接ベクトル空間, 可微分局所曲面, 局所的リーマン計量, 測地線, ガウス曲率を扱う。また, 準備として, ベクトル空間のテンソル積やテンソル場を扱う。3次元空間内の曲線や曲面を具体例に使うことによって, 初学者に解り易い様に講義する。

幾何学II(2年次)

微分可能多様の一般論を講義する。連続写像や同相写像を復習した上で, 微分同型写像を導入して局所座標変換を準備し, 微分可能多様体と微分可能写像を導入する。部分多様体を通して陰関数定理の幾何学的な意味を解説する。微分可能多様体のベクトル束を定義し, リーマン計量を導入し, 接束を通してベクトル場を定義し, そのLie環から葉層構造を導く。余接束を定義して微分形式の一般論を展開し, 接続を定義して, リーマン曲率を論じる。

数学演習III(2年次)

「幾何学I」と「代数学I」の内容を演習で定着させる。簡単な図形に関連して, 変換群や微分構造, 計量の役割を解説する。また, 代数方程式に関連する問題も扱う。数式による計算や幾何的な論証に加えて数値計算も行う。幾何に関しては, 計量空間, 連続写像, 空間内の曲面の微分幾何的な性質を扱い, 代数に関しては, 4次までの代数方程式と合同式と有限体を扱う。またタイルや格子等を通して平面上の変換群を解説する。作図問題に関連して, コンパスと定規による作図も行う。

数学演習IV(2年次)

「幾何学II」と「代数学II」の内容を演習で補う。微分可能多様体と代数構造の演習を行う。幾何については, 局所座標, 微分可能写像, 接ベクトル, リーマン計量, ベクトル場のLie環, 微分形式等を扱う。代数については, 群, 環, 体などの代数構造の具体例と, その中の部分構造や商を扱う。また, 代数構造の拡大の構成も扱う。ガロア理論につながる代数的数の共役の計算や整数論の表現数に関係するハミルトンの4元数体に関する演習も行う。

集合と位相(2年次)

まず, 無限集合の濃度, 特に可算濃度と連続濃度について説明する。そのあと, 実数全体の完備距離空間としての性質を解説する。別の言葉でいえば, 実数列の極限や集積点の性質を解説する。ついで, 重要な完備距離空間の具体例として, ユークリッド空間R^n(n\geq2)を利用して, 開集合, 閉集合, 近傍, コンパクト集合, 連結性などの幾何学的概念を説明する。そのあと, それらの概念を, 抽象的な(完備)距離空間の枠組みで一般的に捉え直し, 最後にさらに一般的な位相空間を解説する。

確率・統計I(2年次)-確率論の基礎-

世の中の不確実性が増大していく中,適切な意思決定を行う上で確率・統計学を学習することの重要性が高まりつつある.不確実性のあるデータからその生成メカニズムの解明,および,新たな知見を得るためには,確率的なモデルを想定し,何らかの基準に基づいて評価し,適切なモデルの推定を行う必要がある.確率モデルを論ずる確率論とデータから適切な確率モデルを推定する統計学とは表裏一体であり,両方を理解してようやく意義がある.確率・統計Ⅰでは,確率論の基礎を中心に学ぶ

確率・統計II(2年次)-数理統計学の基礎-

数理統計学は,不確実性のあるデータから有意義な情報を効率的に得るための方法と数理を研究する学問である.不確実性のあるデータからその生成メカニズムを解明するためには, 確率的現象のモデル化を行う必要がある.適切なモデルの推定を行うには,何らかの基準に基づいて評価しなければならなく,数理統計学は,その数理的な考え方を与える.確率・統計Ⅱでは,統計的推測の数理的な枠組み,検定,情報量規準,さらに,近年において,実務の世界で重要性が高まっている事前情報を何らかの形で用いるベイズ統計学などを学ぶ.

離散数理(2年次)

情報科学の理論的基礎として, 離散数理と呼ばれる分野について講義する。まず集合や写像の概念の説明からはじめて, 「論理関数, 論理代数の基礎」,「グラフ理論およびグラフ上のネットワークに関する基本的なアルゴリズム」,「数え上げ組合せとその応用」について, 入門的な講義を行う。講義では, 具体的なアルゴリズムを数多く紹介するが, これらのアルゴリズムは様々なソフトウェア開発に必要であり, これらを理解するためには, プログラムを作ってみることが大切である。したがって, 適宜, 情報処理教室で演習を行い, レポートを課す。

数理モデル(2年次)

自然現象, 特に物理現象や生物現象のメカニズムや原理を解明・理解する方法の1つに数理モデルがある。微分方程式や差分方程式による数理モデル, ゲーム理論を用いた数理モデル, あるいはコンピュータによる計算機シミュレーションのための数理モデルなど, 種々の数理モデルについて, そのモデル化の手法と解析方法を解説する。講義では主として生物現象に焦点を合わせ, 個体群の増殖, 多種系として競争や捕食などに関する現象の数理モデルを取り扱う。