数学の神秘シリーズ

モルフォ蝶はなぜ美しいのか

モルフォ蝶はアマゾン川流域に住む大型の蝶で、 世界で一番美しい蝶とされています。 この写真のように美しいメタリックブルーに見えまずが、 意外にも羽本体には色が無く。 角度を変えて見ると薄汚い色に変化します。実はモルフォ蝶の羽の表面は櫛形の鱗粉でおおわれており、光の干渉が起きて青い光のみ反射し強め合うという構造になっています。 そのために光沢のある青が表れるのです。

なお鮮やかな青の色を持つのは雄で、ほとんどの雌は雄よりも地味な茶色で であり、幼虫はものすごくグロテスクな姿をしています。(^^;)

さて、ここからが本題です。あざやかな青色を持つ蝶を何故美しいと思うのでしょうか?

答えは 非常に派手な左右対称性を持つからです。モルフォ蝶

人間は異性を見るとき、まず顔を見ます。そして、顔を見て美しいか醜いかを瞬時に判断します。その基準は何でしょうか?

もちろん、人種によってその基準はちがいますが、心理学者が色々な人種を調べた結果、魅力的な顔にはある共通の要因がありました。

それは顔が左右対称である事です。

魅力的だと無意識に思う顔は実は左右対称なのです。左右対称の顔は若さ生殖能力と 健康の表れとなっています。人間の顔は左右対称に見えて実は非対称 であり、人間は無意識のうちにそのわずかな非対称に気づくのです。(顔の写真を真中で対称に折り返すと別人のような顔になります)

これは人間以外にもあてはまります。本来生物は完璧な左右対称に成長するはずですが、病気や有害物質や、成長を阻み非対称に導く悪い遺伝子のために非対称になります。 従って体が非対称なのは劣悪な環境で成長したか、悪い遺伝子を持つと思われます。

つまり生物においても左右対称な姿は繁殖能力の高さを表しています。

モルフォ蝶も激しい生存競争で、鮮やかな対称性を持つ雄が子孫を残していくうちにこのような対称性を持つようになったと考えられます。

人間が自然界のさまざまな対称なもの、例えば花や蝶などを無意識に美しいと思うのは、上記のように遺伝子に組み込まれたものかもしれません。

この対称性ですが、数学や物理においても重要な役割を果しています。幾何学や群論はもちろん、量子論や相対論にも対称性が表れます。 もともと数学の概念の一つであった対称性が、人間の行動を支配しているーこれこそ数学の神秘と言えるのではないでしょうか?