数学の神秘シリーズ

オーム貝はなぜ美しいのか

オーム貝は5億年も前から変化していない「生きた化石」と言われています。昔は海の王者として君臨したようですが、現在はパラオの沖合いの深海でひっそりとくらしています。泳ぐ力は弱く、海中を浮遊しながら、上から落ちてくる魚の死骸をあさっています。 オーム貝の貝の形が「自然界の中で最も美しく見える」といわれています。なぜでしょうか?

オーム貝

オーム貝の中は小部屋に分かれていて、一番外の小部屋が貝のすみかです。それ以外の小部屋には空気がつまっていて、これを浮きとしてただよっています。オーム貝は成長するとき、常に相似形を保ちながら成長しようとします。従ってうずまきの曲線の接線と中心から引いた直線とは一定の角度で交差します。

これを数学的に説明すると、曲線上の点をPとして、OPの長さをr、OPとx軸のなす角を

とすると

が成立します。a=60, b=-0.2 としたのが次の図です。

これを対数らせんといいます。普通の貝やゾウの牙など、自然によくあらわれる美しいうずまきです。

ここで次の疑問がでてきます。 オーム貝は何故、5億年の間に進化せずに生き残ったのか?

これに対しては黄金比やフィボナッチ数列との関係をあげ、 進化をしないのではなく、究極に進化してしまったので 進化する必要がなくなったという説があります。 確かに、同時期に繁栄したアンモナイトは限りなく進化し、 絶滅しました。

しかし、昔から進化せず生き残ったといえば、 シーラカンスがいますが、黄金比とは 無縁な形をしています。

共通点といえば、両者は競争相手が現れると 進化して対抗するかわりに、暗く冷たい深海 でひっそりと暮らす方を選びました。 シーラカンスも海底で頭を下にしてゆらゆら 漂いながら、たまたま口の近くに来た 獲物を飲み込みこむという生活をしています。 案外このような生活が生き延びた秘訣なのかもしれません。