研 究

離散数理研究室

プロフィール(略歴)

 1952年石川県の能登地方の田舎に生まれる。時は高度経済成長の時代。1968年、県立七尾高校にその年からできた理数科に入 学。 高校時代は全般的に成績は良かった。最も得意な科目は世界史、 好きな科目は数学、不得意科目は物理。 1971年京都大学理学部入学。工学部数理工学科に転学部転学科し、1977年学部を卒業し、そのまま大学院に進学。修士課程修了後1979年広島大学工学部に助手として就職 。広島大学で上司であった先生と共同で研究生活が始まった。そのときのテーマは 微分方程式を幾何学的的な構造という立場で研究することであり、 当時研究が始まっていたソリトン方程式がよいモデルを提供して くれたので研究は順調に進み広島大学には17年間在籍。 1996年同志社大学(工学部電子工学科)。計算機による数式処理や、私が工学部の学生であったころ 学んだ最適化問題などに興味を持ち、研究をすすめる。 2008年4月理工学部数理システム学科移籍。

専門分野
  • 最適化問題
  • 離散構造
  • グレブナー基底
  • トーリックイデアル
  • バイオインフォマティクス
関数方程式研究室
渡邊 芳英 教授

代表的な仕事

 佐藤幹夫氏により提唱されたKPヒエラルキーのHamilton (Poisson)構造を見いだし、それが形式的な意味ではあるが、 1変数の微分作用素全体をLie 環とする無限次元Lie 群の余随伴軌道上のLie-Poisson 構造であるとみなせることを示し たことです。    

研究テーマ

(1) グレブナー基底を用いた2元符号の最尤復号
 グレブナー基底を用いて、2元最尤復号を行う池上-楫アルゴリズムは グレブナー基底の計算時間あまりに大きく、実用的ではない。そこで本研究では、最尤復号に必要となるイデアルのグレブナー基 底を符号の組み合わせ論的な性質から導けないかと考える。それにより、 符号の数学的構造と最尤復号のメカニズムに対して新たな視点を与えることが できるかもしれない。

(2) グレブナー基底とネットワーク最適化問題
 ネットワーク最適化問題は多くの場合整数計画問題として 定式化できる。従って、そこからトーリックイデアルを定義することが できる。このようなトーリックイデアルの生成元またはグレブナー基底と ネットワークの構造との関連を調べる。

(3) 生命情報学における様々な組み合わせ最適化問題
 生命情報学においては、最適化問題の立場からみても興味深い 様々な組み合わせ最適化問題が現れる。このような問題を 整数計画問題として定式化し、その数学的な構造を調べる。

研究内容

 最適化とは、与えられた制約条件のもとで、ある目的関数を 最大化または最小化することであり、応用数理の代表的な 研究テーマである。最適化問題には、扱う変数が連続的な値をとる 連続の最適化問題と、変数が離散的な変数をとる離散最適化問題がある。 当研究室では、主として離散最適化問題、とくに整数計画問題 をその数学的な構造と観点から研究する。キーワードは トーリックイデアルまたは格子イデアルであり、用いる道具は 多項式環のイデアルのグレブナー基底 である。現在興味をもって研究している具体的な離散最適化問題は グラフ上のネットワーク最適化問題、誤り訂正符号における 最尤復号の問題、生命情報学における様々な組み合わせ最適化問題などである。 最後の例は、先の2つに比べると問題が複雑であり、問題の数学な構造には ほとんど手がついていない。

受験生へメッセージ

 大学での数学の基礎的な勉強は、その抽象的な性格のために先が見えず 辛いところがあります。しかしその基礎がなければ、幅広い応用も 視野に入ってきません。行き詰まったら気軽に教員と相談してみてください。