研 究

情報解析研究室

プロフィール(略歴)

高校では陸上部に所属し短距離走の練習に汗を流していた。その時、「特異点解消」の業績により、広中平祐氏が数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞を受賞した。数学を研究することを職業としている人々がいることに大変な衝撃を受け、また魅力も感じた。当時、高校3年生の数学カリキュラムには常微分方程式の解を求める解法があったが、系統的な指導もなく大変苦手な意識があった。しかし、大学に進学し応用解析研究室に配属を希望して、常微分方程式の定性的研究をすることになった。幸いにも、常微分方程式の一般的解法は無理であることが証明されているために、現研究は解を具体的に求めることなしに解の性質を調べることが目的である。現在は、微分の概念を種々の分野に応用し、ファジィ理論(あいまい性解析)、カオス・フラクタル解析、DNA最適化、一般均衡価格の安定性解析、粗情報画像処理解析などへの応用を試みている。

専門分野
  • ファジィ微分方程式
  • ファジィ最適化
  • 常微分方程式の定性理論
  • カオス・フラクタル解析
  • 価格調整差分方程式
  • 最適化DNAコンピューティング
  • スパース分解とウェーブレット変換
関数方程式研究室
齋藤 誠慈 教授

代表的な仕事

線形常微分方程式 x’(t) = A(t)x + f(t)を拡張した準線形系 x’(t) = B(t,x)x + F(t,x)の解に関する定性的研究を行った。行列 B は行列Aに十分近い性質を持ち F は摂動項である。準線形系にどのような条件があれば、線形系の有する性質が遺伝するかを考察した。解の存在に専ら用いられる不動点定理を、解の漸近挙動を証明するために応用し、それらの条件を統一的、系統的に導いた。

 

 

研究テーマ

(1) 常微分・差分方程式、一般均衡価格方程式の安定性
 森嶋通夫(1977)は、2商品に関する一般均衡価格の差分方程式の数値計算を行い、最終安定性を予想した。1商品の相対価格(%)を反復計算し、25,000?30,000を図示した。

 

最終安定な軌道図

 

(2) ファジィ微分方程式・最適化
 曖昧な情報を表すファジィ解は、左から右へ曲線が推移してゆく。

 

曖昧性は時間と共に増加する

 

A,B,C,D,Ln,Rmをファジィな毎時交通量(概数)とする橋最適配置問題の解法は変分不等式問題を解くことになる。

 

橋配置問題は変分不等式問題

 

(3) カオス・フラクタル解析
 グーモウスキー・ミラの翼は、カオス・ランダム性の研究対象である

 


カオスは一目瞭然だが証明困難

 

(4) DNAコンピューティング
 4種のDNA塩基の化学反応の特性を利用し、さらに最適化理論の応用によって新しい計算原理の考案を目指す。

 

(5) 粗情報画像処理解析
 画像処理データをかなり大きな空間で扱うとき、冗長な情報が生ずる。計算量は増加するが、ゼロ値が多いために計算速度は高速されることを利用したアルゴリズムを開発することが研究目的である。

研究内容

 物体の変位を時間微小的な変化として捉えると平均変化率が計算できる。さらに極限操作により、平均変化率から微分(係数)が得られる。その微分の概念を様々な分野に応用して研究をすすめている。 連続な時間軸上で微分を考える常微分方程式、離散時間上の差分方程式に関する解軌道の安定性やカオス(予測しがたい複雑な挙動)の解析、およびその結果の応用を目的としている。特に経済理論における価格の安定性解析への応用である。 また、人間を取り巻く状況をモデル化する時、熟練的・経験的な勘や主観性を、客観的に数理解析する場合に、「だいたい、約」という曖昧な意味(ファジィ性)をもった情報解析が必要となる。その曖昧性を有するファジィ微分方程式の解析や、曖昧な道路交通量を考慮した橋配置問題などのファジィ最適化の研究にも取り組んでいる。

受験生へメッセージ

 人間は個性的であるように、得手不得手なことがあります。得意なことは磨きをかけて極めるよう心懸けてほしいものです。苦手のことは最初から避けることなく、理由・対処を考えることも大変重要と思います。